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『だ、ダメです夏目先輩、そんな…』

部活終わりなのか、2人以外誰も居ない美術部の部室。
赤い夕焼けが入り込む中、夏目先輩からの突然の告白。
これはもう、断る理由なんか、あるはずが無い!
ワタシは、夏目先輩の次の言葉を待った……。
けど、何かおかしい。
夏目先輩とは、憧れてはいるけどそんなに話したことが無いし、そもそも夏目先輩には彼女がいるという噂もある。
どうして、ワタシを。。。
そこまで思った時、遠くから、非常ベルの音が、聞こえ、て、来て。。。

そこで、目が覚めた。
見慣れた天井。
聞き慣れた目覚ましの音。
微かに香る、朝ごはんの匂い。。。
ここは、そう、自分の部屋だ。
なんてことは無い、憧れの先輩から告白されるという夢を見ていた、だけだった。

「あーあ、あとちょっとだったんだけどなー…」

特に明確な理由も無いけれど、なんかそう思って仕方が無い。
あと数分、目覚ましが鳴るのが遅ければ。
もしかすると。。。
顔が、少しニヤけてしまう。
夢とはいえ、憧れの先輩が出てきたのだから。

「今日は、良いことありそ」

月曜日だけど、なんか頑張れそうな気がした。
未だに自己主張するベット脇の目覚ましを止め、水玉模様の布団から出て、軽くのびーっとしてみる。
一瞬、姿見に映った自分の顔が、若干赤いような気がしたのは、多分気のせい。
お気に入りのフワモコスリッパをはいて、朝の行動がようやく始まる。
部屋から出て、右の突き当たりの洗面台で洗顔と歯磨き。
高校に入学して2ヶ月、なんとなーく生活のリズムが出来てきているように思う。
階段を降りて、リビングへ。
そこでは、新聞を広げたお父さんと、ご飯を作ってるお母さんとの微笑ましい姿が、あるわけもなく。
テーブルの上のお弁当の包みを横目に見つつ、シリアルの朝ごはん。
一息ついて、学校へ行く準備を始める。