「いってきまーす」

返事が来ないことは分かっているけど、取りあえず声をかけてしまう。
小学生の頃は、返事が返ってきていたのになーと思いながら、見慣れた道を歩き始める。
同じ制服の生徒が、ちらほらと散見するようになった時のこと。
建物にもやがかかっているように見える建物が視界に入った。
視力が落ちたわけではなく、その建物だけが少しぼやけているように見えるのだ。
数日前からだろうか。
何の前触れもなく、突然それは起こった。
一緒に帰る友達に聞いてみても、そんな事は無いと言う。
不思議に思いつつも、特に何か不便があるわけではないので通り過ぎる。