注意!
これをお読みいただく前に、近藤るるるセンセ著作の「天からトルテ!」全14巻をお読みください。
ってゆーか、そうしないとキャラが分かりません。(アンソロジー小説也)


<前々日>

ふと、トルテは気づいた。
何故だか分からないが、トルテ達は近くの公園でかくれんぼをしている。
木に向かって顔を伏せて数を数えている、トルテのご主人様−ウニが鬼のようだ。
魔女っ娘達が、一斉に散らばって隠れた。
トルテは、そっと近くの大木の側の茂みに隠れる。
「もぉーいーかい」
「まーだだよー」
「もぉーいーかい」
「もぉーいーよ」
辺りがシーンと静かになる。
そっと覗いてみると、ウニは顔を上げ、トルテ達を探し始めた。
しばらくすると、マカロンやプディング、そしてグラニテ、エクレアが見つかっていく。
ウニは、トルテの側は通るもののまだ見つけていない。
それほど広い公園でも無いはずなのだが…。
(ご主人様、遅いですの…)
しかし、まだトルテが残っているにもかかわらずウニは満足そうにうなずくと言った。
「ふぅ、全員見つけたね。じゃぁ、始めに見つかったマカロンが鬼だよ」
(!!
 ご、ご主人様、トルテがまだですの…)
そう言おうとしたが、声が出ない。
立ち上がろうにも、身体に力が入らない。
驚きで身体を思い通りに動かせなくなってしまったようだ。
(ご主人様……)
いつでも優しく笑いかけてくれたウニ。
どんな時でも一緒にいたウニ。
そして、何をやっても最後は許してくれるウニ。
トルテの中で、様々な場面でのウニのことが思い出される。
そんなご主人様が、トルテを無視した……。
いや、無視ならばまだ良い。
まるで、トルテがその場に居ないかのように……。
そこまで思ったトルテの何かが外れた。
突然立ちあがったかと思うと、叫んだ。
「いやぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーー!!!!」

と、トルテは何か今までと完全に違う空間にいた。
単純に移動したわけではなくて…そう、瞬間移動したような感じ……。
「?」
トルテはゆっくりと身体を起こし、辺りを見渡す。
そこは見なれた自分の部屋で、トルテはパジャマ姿で横になっている。
要するに、寝ていて今起きたようだ。
「夢…でしたの?」
夢にしては、かなりリアルだった。
だが、何度見渡してみてもここはトルテの部屋であって、ここは外でも、ましてや公園でもない。
そういえば、昨日見たテレビドラマにそういうシーンがあった気がした。
余りにも印象が強かったために、それを夢で見ただけのようだ。
側の時計を見てみると、7時を少し回ったところ。
頭が少し回転してくると、台所から流れてくるいい匂いに、お腹が即座に反応した。
(ぐぅ〜)
「お腹すいたですの……」
まるで操られるかのように、トルテは台所へと向かう。
台所では、ウニが朝食の準備を9割方終えたところだった。
「あ、トルテおはよう。ほら、顔を洗ってきて。朝ごはんにするから」
トルテの足音に気づいたウニが、振り向きざまに笑顔で言った。
今日の朝食は、トーストにハムエッグとサラダ、そして珈琲(トルテはココア)のようだ。
「はい、ですの」
返事をしながらトルテは思った。
(やっぱり、あれは夢でしたの!
 ご主人様が、トルテのことを忘れてしまうだなんて、そんなことありえませんの〜!)
いつもの笑顔の5割増し(当社比←え?)で顔を洗いに行ったトルテ。
すでに、トルテの頭の中にはさっきのかくれんぼのことは頭に無い。
だがトルテは、数日後否応が無しにこのことを思い出さざるをえなくなった。


<当日>

窓からさす日の光が目にあたり、トルテは目を覚ました。
身体を起こし、窓を見る。
光がさしこんでいることからも分かるように、今日も良い天気だ。
こんな日は気分が良いので、何か良いことが起こりそうな気がする。
今日は日曜日で、ご主人様のウニも仕事は休みだ。
こんな日くらいのんびり寝てても良いと思うのだが、
普通ウニはトルテが起きる前に起き、朝食の用意を終えている。
「今日もがんばるですの〜」
自分にすこーし気合を入れて、トルテは立ちあがった。
部屋を出て、台所へと向かう。
そして、台所に居るはずのウニに聞こえるように言う。
「ご主人様〜おはようですの〜〜」
返事が無い。
台所を見渡してみるが、ウニの姿は無い。
そういえば、今日は起きた時に流れてくる、朝食の用意の匂いがしなかった。
と、テーブルの上に何かが乗っている。
そこには、冷たくなった朝食と、紙切れが。
紙切れには、ウニの字で1行。
“起きたら食べてね”
それだけ書いてある。
ご主人様が、トルテに黙ってどこかに行くわけが無い。
いや、寝ている間に行くとしても前日までには何か言っているはず。
トルテは、とりあえず用意してあった朝食を食べて、ウニを探し始めた。
ウニの部屋−−居ない。
トイレーーノックして開けても誰も居ない。
台所ーーさっき見たので居るはずが無い。
(ご主人様……)
心配になってきたトルテは、ウニを探しに行くことにした。


+モドル?+